ビジネスメールを作成する際、漢字とひらがなの使い分けに悩むことはありませんか。特に、「致します」は漢字で表記してもよいのか、といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ビジネスマナーにおいて、漢字を用いるべきか、ひらがなで記すべきかは、相手に与える印象や文章の読みやすさに影響を及ぼす重要な要素です。
本記事では、ビジネスメールにおける漢字とひらがなの適切な使い分けや、意識すべきマナーについて解説いたします。例えば、ひらがなで表記するべき漢字の一覧や、ビジネスメールにおいて漢字の使用を避けるべき表現を整理し、ビジネスメールの作成時に活用できるようまとめました。また、「漢字とひらがなの使い分けのマナーとは?」といった基本的な疑問にもお答えし、適切な表記ルールを詳しくご紹介いたします。
さらに、「ビジネスメールではなぜ漢字とひらがなを使い分けるのか」という点についても詳しく解説いたします。漢字の多用によって文章が硬い印象を与えてしまう場合や、漢字二文字の表現が冷たい印象を与えるケースについても触れています。「漢字とひらがなの使い分け一覧」を活用しながら、より読みやすく、適切なビジネスメールを作成するためのポイントを学んでいただければ幸いです。
- 「致します」などの補助動詞や形式名詞の適切な表記を理解できる
- 漢字とひらがなの使い分けが読みやすさや印象に与える影響を学べる
- ビジネスメールで避けるべき漢字表記と適切な表現を知ることができる
- 公用文のルールやマナーを踏まえた漢字の開き方を習得できる
ビジネスマナー 漢字の使い分けルールとは?
- 「致します」は漢字で書くとダメですか?
- 漢字とひらがなの使い分けのマナーは?
- ビジネスメールで漢字とひらがなを使い分ける理由
- メールで漢字にしてはいけない言葉
- ひらがなで書くべき漢字とは?
- ビジネスメールのひらがな一覧
「致します」は漢字で書くとダメですか?

「致します」は、ビジネスメールや文書でよく使われる表現ですが、漢字で書くべきか迷うことがあるかもしれません。基本的に、「致します」は文法的に誤りではないものの、適切な場面とそうでない場面があります。
まず、補助動詞として使う場合は、ひらがなで「いたします」と書くのが適切です。例えば、「よろしくお願いいたします」「ご確認いただきますようお願いいたします」のような表現では、補助動詞にあたるため、ひらがな表記が推奨されます。これは、日本語のルールにおいて、補助動詞はひらがなで書くことが一般的だからです。
一方で、「行動を起こす」という意味で使う場合は、漢字の「致します」が適切です。例えば、「最善を尽くすよう努めます」「努力を致します」のような表現では、独立した動詞としての意味があるため、漢字表記が自然です。
このように、場面によって「いたします」と「致します」を使い分けることが求められます。ビジネスメールでは、ほとんどの場合が補助動詞の用法に該当するため、ひらがなで「いたします」と表記する方が読みやすく、誤解のない表現になります。特にフォーマルな場面では、一般的なマナーとして、ひらがな表記を心がけるのがよいでしょう。
漢字とひらがなの使い分けのマナーは?
ビジネスシーンでは、漢字とひらがなの使い分けが重要です。適切に使い分けることで、読みやすさが向上し、相手に与える印象も変わります。では、どのように使い分ければよいのでしょうか。
まず、ひらがなで書くべき主な言葉には、補助動詞や形式名詞、副詞などがあります。例えば、「してみる」「考えてください」などの補助動詞は、ひらがな表記が一般的です。また、「こと」「もの」「ため」といった形式名詞も、ひらがなで書くことで文章の流れがスムーズになります。
一方、名詞や動詞など、本来の意味を強く持つ言葉は、漢字で書くのが適切です。「報告」「確認」「進捗」などのビジネス用語は、漢字を用いることで分かりやすくなります。
また、漢字を多用しすぎると、文章が堅苦しく読みにくくなることがあります。逆に、すべてをひらがなにすると、幼稚な印象を与える可能性があります。そのため、適度なバランスを取ることが大切です。出版業界では、一般的に「漢字3割、ひらがな7割」の比率が読みやすいとされています。ビジネスメールを書く際も、この比率を意識するとよいでしょう。
さらに、相手に与えたい印象によって使い分けるのも有効です。たとえば、かっちりした印象を与えたい場面では、漢字をやや多めに使い、親しみやすさを演出したい場合は、ひらがなを多めにするなど、調整するとよいでしょう。
このように、漢字とひらがなの使い分けには一定のマナーがあり、読みやすさや印象を考慮しながら適切に選択することが求められます。
ビジネスメールで漢字とひらがなを使い分ける理由

ビジネスメールでは、漢字とひらがなの適切な使い分けが重要です。その理由として、読みやすさの向上、相手に与える印象の違い、そして誤解を避けるための配慮が挙げられます。
まず、読みやすさの観点から考えると、漢字ばかりの文章は視認性が悪くなり、内容を理解しにくくなります。一方、ひらがなばかりでは視覚的に単調で、文章の意味を即座に把握しづらくなります。そのため、適切に漢字とひらがなを織り交ぜることで、バランスの取れた文章が完成します。特に、漢字の「開き」(意図的にひらがな表記にすること)を意識すると、よりスムーズな読解が可能になります。
次に、相手に与える印象の違いについてです。漢字を多用すると、格式があり堅苦しい印象を与えがちです。フォーマルな場面では一定の堅さが求められますが、過度に漢字を使うと冷たい印象になることもあります。一方で、ひらがなを適度に用いることで、柔らかく親しみやすい表現になり、相手に心地よい印象を与えます。特に、すでに関係が築かれている取引先や社内のやりとりでは、適度なひらがなの使用が効果的です。
また、誤解を防ぐためにも、漢字とひらがなの使い分けは重要です。例えば、「頂く」は動作を伴う場合には漢字表記が適切ですが、「ご覧いただく」「お手伝いいただく」などの補助動詞として使う場合はひらがなで書くのが自然です。このように、意味や用法によって適切に使い分けることで、正確に意図を伝えることができます。
このように、ビジネスメールでは、漢字とひらがなのバランスを考えながら、相手に伝わりやすい表現を意識することが大切です。
メールで漢字にしてはいけない言葉
ビジネスメールでは、誤解を招かないよう、ひらがなで書くべき言葉があります。特に、補助動詞、副詞、形式名詞などは、ひらがな表記が適切とされています。
まず、補助動詞はひらがなにするのが基本です。「いたします」「ください」「いただく」などがこれに該当します。例えば、「ご確認ください」と「ご確認下さい」では、後者の漢字表記のほうがやや固い印象を与えます。一般的なビジネスメールでは、補助動詞はひらがなにするほうが適切です。
次に、副詞も漢字にせず、ひらがなで書くことが推奨されます。「すでに」「たとえ」「しばらく」「ぜひ」などは、ひらがなにすることで文章が自然な印象になります。例えば、「是非ご確認ください」と「ぜひご確認ください」を比較すると、後者のほうが柔らかく読みやすい印象になります。
さらに、形式名詞もひらがな表記が適しています。「こと」「もの」「ため」「わけ」などがその例です。これらを漢字で書くと、不自然で硬い印象になり、読みづらくなることがあります。「その事は了承しました」よりも「そのことは了承しました」のほうが、スムーズに読めるでしょう。
また、意図せず誤解を招く恐れのある言葉にも注意が必要です。例えば、「宜しくお願いいたします」と漢字を使うと、ビジネス文書として適切ではないとされることがあります。正式には「よろしくお願いいたします」とひらがなで書くほうが望ましいでしょう。
このように、ビジネスメールでは、漢字を多用しすぎると堅苦しくなり、場合によっては誤解を生む可能性もあります。適切にひらがなを用いることで、よりスムーズで分かりやすいメールを作成できるようになります。
ひらがなで書くべき漢字とは?

ビジネスメールでは、すべての言葉を漢字にするのではなく、適切にひらがなを使うことが大切です。特に、補助動詞、副詞、形式名詞、副助詞などは、ひらがなで表記するのが一般的です。
まず、補助動詞はひらがなで書くことが推奨されます。「いたします」「ください」「いただく」などがその例です。これらを漢字にすると、「致します」「下さい」「頂く」となりますが、補助動詞としての役割を持つ場合は、ひらがなにしたほうが自然で読みやすくなります。例えば、「ご確認ください」と「ご確認下さい」を比較すると、ひらがなの方が柔らかく、一般的なビジネスメールとして適しています。
次に、副詞も漢字ではなく、ひらがなで書く方が適切な場合が多いです。「すでに」「ぜひ」「たとえ」「しばらく」「たまに」などがその代表例です。例えば、「是非ご検討ください」と「ぜひご検討ください」を比較すると、ひらがな表記のほうが自然で親しみやすくなります。
また、形式名詞もひらがなで書くと、文章の流れがスムーズになります。「こと」「もの」「ため」「わけ」「ところ」などがその例です。これらを漢字で書くと、不自然な印象を与えることがあり、読み手にとって負担になることもあります。例えば、「その事について話しました」よりも、「そのことについて話しました」のほうが、よりわかりやすい文章になります。
さらに、副助詞もひらがな表記が基本です。「〜くらい」「〜ほど」「〜など」「〜まで」といった言葉は、漢字にすると堅苦しい印象になるため、ひらがなにしたほうが適切です。
このように、漢字ばかりの文章では読み手に負担をかける可能性があります。適度にひらがなを使い、バランスの取れた表記を意識することで、スムーズに伝わるビジネスメールを作成できるでしょう。
ビジネスメールのひらがな一覧
ビジネスメールでは、漢字にすると堅すぎたり、読みづらくなったりする言葉があります。以下の一覧を参考に、適切にひらがなを使い分けましょう。
■補助動詞(ひらがな表記推奨)
- いたします
- ください
- いただく
- いく(例:進んでいく)
- みる(例:試してみる)
■副詞(ひらがな表記が自然)
- すでに
- ぜひ
- しばらく
- たとえ
- たまに
- ときどき
■形式名詞(ひらがなの方が読みやすい)
- こと
- もの
- ため
- わけ
- ところ
■副助詞(漢字にすると違和感がある)
- 〜くらい
- 〜ほど
- 〜など
- 〜まで
■よく使うビジネス表現(ひらがな推奨)
- よろしくお願いいたします(× 宜しくお願い致します)
- ご覧いただく(× ご覧頂く)
- お手数ですが(× お手数ですが)
- お世話になっております(× 御世話になっております)
このように、漢字にしてしまうと堅苦しくなり、読みづらくなる言葉が多くあります。適切なバランスを考えながら、ひらがなを活用することで、より分かりやすく、伝わりやすいビジネスメールを作成できるでしょう。
ビジネスマナー 漢字の正しい使い方を知ろう
- 漢字とひらがなの使い分け一覧
- マナーを守るための漢字の開き方
- 漢字で書くと誤解される表現
- ビジネスメールでの適切な漢字使用のポイント
- 漢字2文字で表現する際の注意点
漢字とひらがなの使い分け一覧

ビジネスメールでは、漢字とひらがなを適切に使い分けることで、読みやすさを向上させることができます。ここでは、使い分けのルールがある言葉を一覧にまとめました。
■ 補助動詞(ひらがな表記が適切)
補助動詞は、他の動詞を補助する役割を持つため、ひらがなで書くのが一般的です。
- いたします(× 致します)
- ください(× 下さい)
- いただく(× 頂く)
- いく(× 行く)※「進んでいく」などの継続表現の場合
- みる(× 見る)※「試してみる」などの動作補助の場合
■ 副詞(ひらがな表記が自然)
副詞は、文章全体の流れを柔らかくするため、ひらがなで書くのが適切です。
- すでに(× 既に)
- ぜひ(× 是非)
- しばらく(× 暫く)
- たとえ(× 仮令)
- たまに(× 偶に)
- ときどき(× 時々)
■ 形式名詞(ひらがなで書くと読みやすい)
形式名詞は、それ自体の意味よりも文全体のつながりを作るための役割を持つため、ひらがなで表記するのが一般的です。
- こと(× 事)
- もの(× 物)
- ため(× 為)
- わけ(× 訳)
- ところ(× 所)
■ 副助詞(ひらがなが推奨される)
助詞に該当する言葉は、漢字にすると読みにくくなるため、ひらがなで書くのが基本です。
- 〜くらい(× 位)
- 〜ほど(× 程)
- 〜など(× 等)
- 〜まで(× 迄)
■ ビジネスメールで特に注意すべき表現
ビジネスメールでは、以下の表現をひらがなで書くことで、堅苦しさを軽減し、より伝わりやすい文章になります。
- よろしくお願いいたします(× 宜しくお願い致します)
- ご覧いただく(× ご覧頂く)
- お手数ですが(× 御手数ですが)
- お世話になっております(× 御世話になっております)
このように、漢字とひらがなの使い分けには一定のルールがあります。特に、補助動詞や形式名詞、副詞などは、ひらがなで書くことで文章がスムーズになり、読み手にとってわかりやすい表現になります。
マナーを守るための漢字の開き方
ビジネスメールでは、適度に漢字を開く(ひらがなにする)ことで、より読みやすく、伝わりやすい文章になります。しかし、単にひらがなを多くすればよいわけではなく、正しいルールに基づいて漢字の開きを意識することが重要です。
■ 漢字を開くことで得られるメリット
漢字を開くことには、主に以下のようなメリットがあります。
- 読みやすくなる:漢字ばかりの文章は視覚的に重くなり、スムーズに読めなくなるため、適度な開きが求められる。
- やわらかい印象を与える:漢字が多すぎると堅苦しい印象になりがちだが、適度にひらがなを使うことで親しみやすい表現になる。
- 誤読を防ぐ:似たような漢字が連続すると、読み間違いの原因になることがあるため、適度な開きが重要。
■ 漢字の開き方の基本ルール
ビジネスメールでは、以下のようなケースでは漢字を開くのが適切です。
- 補助動詞はひらがなにする
「いたします」「ください」「いただく」などの補助動詞は、ひらがなで書くのが原則です。 - 形式名詞はひらがなにする
「こと」「もの」「ため」「わけ」「ところ」などの言葉は、漢字で書くと読みにくいため、ひらがな表記が推奨されます。 - 副詞はひらがなで書く
「すでに」「ぜひ」「しばらく」「たとえ」などの副詞は、漢字にすると不自然な印象を与えるため、ひらがなにする方が適切です。 - 助詞の一部はひらがなにする
「〜くらい」「〜ほど」「〜など」「〜まで」などは、助詞としての役割を持つため、ひらがなで書く方が自然です。 - 読み手の負担を考慮して開く
長い熟語や専門用語を連続して使用すると、読みにくくなります。そのため、文章の流れを考え、適宜漢字を開くことが大切です。
■ 開きすぎに注意
一方で、すべての漢字をひらがなにすると、逆に読みづらくなることがあります。例えば、「よろしくおねがいいたします」や「ごかくにんください」のように、ビジネスシーンでは適切でない表記になってしまうこともあります。適度なバランスを意識しながら、漢字の開きを調整することが求められます。
このように、ビジネスメールでは、マナーを守りながら漢字の開きを適切に行うことで、読みやすく、伝わりやすい文章を作ることができます。文章を書き終えたら、読み手の立場に立って、適切なバランスになっているか確認するとよいでしょう。
漢字で書くと誤解される表現

ビジネスメールでは、漢字で書くことで意図しない誤解を生む場合があります。特に、意味が複数ある言葉や、使い方によってニュアンスが変わる言葉は注意が必要です。ここでは、誤解を招きやすい表現を紹介し、それぞれの適切な使い分けについて解説します。
■ 「下さい」と「ください」の違い
「下さい」は、物理的な要求をする際に使われます。例えば、「資料を下さい」「返信を下さい」と書くと、相手に対して命令的な印象を与える可能性があります。
一方、「ください」は、動詞を補助する形で使われるため、「ご確認ください」「ご連絡ください」のように、依頼のニュアンスを和らげる表現になります。ビジネスメールでは、基本的に「ください」を使うのが適切です。
■ 「致します」と「いたします」の違い
「致します」は本来、単独の動詞として使われる言葉で、「努力を致します」のように表現します。しかし、補助動詞として使う場合、「お願いいたします」「ご報告いたします」などのように、ひらがなで書くのが一般的です。漢字にすると、やや堅苦しい印象になるため、適切な場面で使い分けることが大切です。
■ 「有難うございます」と「ありがとうございます」
「有難うございます」と漢字で書くことも可能ですが、ビジネスメールでは一般的ではありません。漢字表記にすると、格式ばった印象になり、場合によっては不自然に感じられることもあります。基本的には、ひらがなで「ありがとうございます」と書くのが適切です。
■ 「宜しくお願いいたします」と「よろしくお願いいたします」
「宜しく」は、ビジネスシーンではあまり推奨されません。常用漢字ではなく、公用文でもひらがな表記が基本とされています。「よろしくお願いいたします」のほうが、一般的で伝わりやすい表現になります。
■ 「御社」「貴社」の使い分け
「御社」は、口語で使われる表現で、会話やスピーチなどで適しています。一方、「貴社」は、文書やビジネスメールで使われる表現です。例えば、「御社に訪問しました」と書くと不適切になり、「貴社に訪問しました」が正しい表現となります。状況に応じて、適切に使い分けることが重要です。
このように、漢字の使い方一つで、メールの印象が変わることがあります。誤解を避けるためにも、漢字とひらがなの使い分けを意識しながら、適切な表現を選ぶことが大切です。
ビジネスメールでの適切な漢字使用のポイント
ビジネスメールでは、漢字を適切に使うことで、読みやすく、伝わりやすい文章になります。しかし、漢字を多用しすぎると堅苦しくなり、逆に少なすぎると稚拙な印象を与えてしまうこともあります。ここでは、適切な漢字使用のポイントを紹介します。
■ 1. 読みやすいバランスを意識する
一般的に、ビジネス文書では「漢字3割、ひらがな7割」の割合が読みやすいとされています。漢字が多すぎると視覚的に詰まった印象になり、逆にひらがなばかりだと幼稚な印象を与えることがあります。読みやすさを意識しながら、バランスを調整することが大切です。
■ 2. 補助動詞はひらがなで表記する
「いたします」「ください」「いただく」などの補助動詞は、ひらがなで書くのが一般的です。漢字にすると、文書が堅くなりすぎるため、自然な表現を意識することが重要です。例えば、「ご確認ください」と「ご確認下さい」を比べると、後者は少し命令的な印象を与えるため、ひらがな表記のほうが適切です。
■ 3. 形式名詞はひらがなで書く
「こと」「もの」「ため」「わけ」「ところ」などの形式名詞は、漢字で書くと不自然に感じられることが多いため、ひらがな表記が推奨されます。「その事について話す」よりも「そのことについて話す」のほうが、スムーズな文章になります。
■ 4. 固有名詞や専門用語は漢字表記を統一する
企業名や役職名、専門用語などは、統一した表記を使うことが大切です。例えば、「株式会社〇〇」と「㈱〇〇」など、表記が混在しないよう注意しましょう。また、「部長」「課長」などの役職名は、正式な場では漢字で書くのが適切です。
■ 5. 誤解を生む漢字表記を避ける
ビジネスメールでは、意図しない誤解を避けるために、適切な表記を選ぶことが重要です。例えば、「御社」と「貴社」の使い分け、「下さい」と「ください」の違いなど、細かいルールを意識しておくことで、より伝わりやすい文章を作成できます。
■ 6. 読み手の視点で見直す
メールを送る前に、読み手の立場になって文章を確認することが重要です。特に、漢字とひらがなのバランス、誤解を招く表現がないかを見直すことで、よりスムーズに伝わる文章になります。
このように、ビジネスメールでは、適切な漢字使用が求められます。漢字とひらがなのバランスを意識し、読みやすく、伝わりやすいメールを作成することを心がけましょう。
漢字2文字で表現する際の注意点

ビジネスメールや文書を作成する際、漢字2文字の表現を使うことは珍しくありません。しかし、適切に使わなければ、堅苦しくなったり、意味が伝わりにくくなったりすることがあります。ここでは、漢字2文字の表現を使用する際の注意点について解説します。
■ 1. 漢字2文字の表現は読み手に配慮する
漢字が連続すると、文章全体が硬くなり、読みにくくなることがあります。例えば、「確認事項」や「報告書」といった言葉は、文脈によっては「ご確認いただく内容」「提出する書類」と言い換えることで、より伝わりやすくなります。特に、相手が読み慣れていない可能性がある単語は、漢字2文字にこだわらず、ひらがなや他の表現に置き換えることも検討しましょう。
■ 2. 同じ意味を持つ言葉の中でも適切な表現を選ぶ
漢字2文字の言葉には、似たような意味を持つものがいくつもあります。例えば、「了承」と「承知」はどちらも「理解する」という意味がありますが、「了承」は上司に対して使うのは適切ではありません。このように、言葉のニュアンスを理解し、適切な場面で使用することが大切です。
■ 3. 簡潔にしすぎることで冷たくならないようにする
ビジネスメールでは、できるだけ簡潔に伝えようとするあまり、漢字2文字の表現を多用すると、無機質な印象を与えてしまうことがあります。例えば、「確認願います」や「送付済み」と書くよりも、「ご確認をお願いいたします」「資料を送付いたしました」と書いたほうが、丁寧で柔らかい印象になります。特に、依頼やお願いをする場面では、漢字2文字に省略せず、適度にひらがなを交えることが大切です。
■ 4. 公用文のルールを意識する
政府が発表している「公用文における漢字使用等について」では、ひらがなを多めに使うことが推奨されています。例えば、「出来る」や「致す」は「できる」「いたす」と書いたほうが読みやすくなります。ビジネス文書も同様に、相手にとって分かりやすい表現を意識することが重要です。
■ 5. 無理に漢字2文字に統一しない
「大切」「重要」「迅速」など、漢字2文字の単語を多用すると、形式的な印象が強くなります。場合によっては、「とても大事なこと」「すぐに対応する」といったように、ひらがなを交えた表現にすることで、伝わりやすくなることがあります。特に、相手に対してやわらかい印象を与えたい場合は、適度にひらがなを使うことを意識しましょう。
このように、漢字2文字の表現は便利ですが、使いすぎると冷たい印象を与えたり、伝わりにくくなったりすることがあります。文章全体のバランスを見ながら、適切にひらがなを交えて表現することで、より伝わりやすいビジネスメールを作成できます。
ビジネスマナー 漢字の適切な使い方とは
この記事のポイントをまとめます。
- 「致します」は補助動詞の場合はひらがなにする
- ビジネスメールでは漢字とひらがなのバランスが重要
- 補助動詞「ください」「いたします」はひらがな表記が適切
- 形式名詞「こと」「もの」「ため」はひらがなで書く
- 副詞「すでに」「ぜひ」「しばらく」などはひらがな推奨
- 副助詞「くらい」「ほど」「など」はひらがな表記が自然
- 「有難うございます」は漢字より「ありがとうございます」が一般的
- 「宜しく」は常用漢字ではないため「よろしく」とする
- 「御社」は口語、「貴社」は文書で使うのが適切
- 漢字を多用すると堅苦しく、ひらがなを多用すると幼稚な印象になる
- 読みやすい文章は漢字3割、ひらがな7割のバランスが理想
- 相手に与えたい印象によって漢字とひらがなを使い分ける
- 公用文のルールでは、読みやすさを考慮し漢字を適度に開くことが推奨されている
- 漢字2文字の表現は簡潔だが、使いすぎると冷たい印象になる
- ビジネスメールでは、表現の統一と適切な漢字の開きを意識することが重要